就職活動…?
なんやかんやとやっているうちに2001年、大学卒業までもうあと3ヶ月だ。
しかし大学に入った頃に志したRPG作りはいまだ成し遂げられず、時間ばかりが過ぎていた。
卒論ではOpenGLベースの3Dシステム上で、AIで動くハムスター的な生き物を作った。
この時期に就職活動に励むでも無く作品作りに没頭していたのは、
大学院に進むことが決まっていたからだ。
が、ここへ来て「大学院に進む意味があるのだろうか」と悩み始める。
早く現場で働きたい!
その思いが強く湧き上がり、土壇場で決断。
研究室の教授に大学院へ進むことを辞めること告げた。
就職氷河期の真っ只中である。
就職活動もしていない。アテがあったわけでもない。
なんて無謀。
卒論の発表を終えると、すぐさま就職活動用の作品作りにとりかかった。
RPGなんて作ってる時間は到底ない。
最も手軽に作れるSTGに的を絞る。
しかし元来凝り性なのもあって、ただのSTGを作ろうとは考えなかった。
STGといえば弾幕ゲーというのがこの頃には既に定番だったが、正直弾幕ゲーは好きではなかった。
サンダーフォース、パンツァードラグーン、シルフィードなどのように
弾を避けることよりも進行演出や、覚えて壊すことに重点が置かれたゲームが好きだった。
そこで避けることよりも壊すことを特に重視したSTGを作ろうと考えた。
題して…
『破壊指向STG』
ザコ敵を多数のパーツで構成し、パーツごとに破壊可能。
パーツは一気に壊れるのでなく段階的に壊れる。
壊したパーツごとに異なった破片を撒き散らす。
破壊の手ごたえを重視しまくった大仰な作りだ。
基本的なプログラムはすぐできたのだけれど…
ドット打ちに超時間がかかる!
破片がくるくる回ってるのはプログラム的に回転描画しているのではなく
ドット絵で回ってる絵を描いたものを表示しているのだ。
時間がないというのに…
なんて無謀。
そんなこんなでとっくに大学も卒業し、無職状態だった2001年4月半ば。
大学時代同じ研究室だった友達から連絡があった。
なんでもその友人がマクロスのオフ会で会った人が、
すぐ動けるプログラマーを探していて
自分の話をしたら紹介してくれって流れになったらしいのだ。
突然の話で動揺しつつも、とりあえず会うだけ会ってみることに。
そして…
トントン拍子で?そこで働くことになった。
それが10年近く勤めることになるリトルウィッチである。
えーと…
マクロスに感謝?